MacでのPHP開発におすすめのテキストエディタ比較

以前 Windows でのPHP開発に便利なテキストエディタのレビュー記事を書きましたが、
今回は Mac 対応のテキストエディタをいくつか比較してみます。

今回ソフトウェアを選ぶ際、次の点を重要視しました。

  • Shift-JIS、EUC-JP の自動認識に対応していること
  • プログラミング言語に応じた色分けができること
  • 関数一覧からその行にジャンプできること
  • 複数行をまとめてインデントできること

注意: 記事に使われているスクリーンショットは設定変更後のものです


Atom

https://atom.io

atom

Github社によって作られたクロスプラットフォームのテキストエディタ。
初期状態でも十分な機能を持ち、プラグインで拡張すれば強力なデバッグツールにもなります。
各種文字コードへの対応、入力補完、優秀なインデントができ、定番のテキストエディタといえる程の人気があります。

Visual Studio Code

https://code.visualstudio.com

Microsoft が開発した Electron ベースのテキストエディタです。
Shift-JIS、EUC-JP などの文字コードに標準で対応し、入力補完、マルチカーソル、画面分割機能などの便利な機能を一通り備えています。
拡張機能にも対応しているので Git との連携なども簡単にできます。JSON むき出しの設定画面はいまひとつ洗練されていない印象を受けますが動作自体は概ね安定しており、Atom とは良きライバルのような状態です。


Sublime Text

http://www.sublimetext.com

sublimetext
(※写真はベータ版のものです)

かなり愛用者の多いテキストエディタです。オートインデントや入力補完が他のテキストエディタ以上に優秀で、快適な作業ができるのが魅力です。
プラグインに対応しており、自由に拡張できます。そのせいかプラグイン依存度が高く、ConvertToUTF8 等のプラグインを利用しないと Shift-JIS や EUC-JP などのマルチバイト文字を扱うことができません。(執筆時 ver. Build 3059)
本体や OS のアップデートによりプラグインとの相性問題が発生した場合プラグインのアップデートを待つ必要が生じるのはリスクが有りますが、UTF-8 以外を使うことが無いのであれば最高のテキストエディタだと思います。
最近では上述の Atom や VS Code の登場によりシェアを奪われつつ有ります。


PhpStorm

http://www.jetbrains.com/phpstorm/

phpstorm

PHP 専用の IDE です。
デバッグ機能に優れており、エラー箇所を色で簡単に判別できます。
大型プロジェクトの開発を行うなら必須と言っても過言ではありません。
起動やインデックス作成にはやや時間がかかりますが、起動後は比較的に快適です。
年間アップデートライセンスという方式をとっており、ライセンス購入後一年間は無償でアップデートできます。
ライセンスが切れた場合はアップデートができなくなりますが、使用を継続することはできます。
オープンソースプロジェクトの開発や教育関係者(教師・生徒)に限り無料で利用することもできます。


BBEdit (Mac専用)

http://www.barebones.com

bbedit

HTML の編集に特化したテキストエディタで、タグなどを定型文として簡単に挿入できます。
内部ブラウザを搭載し、変更と同時にプレビューをすることができるので、HTML のみを編集する際は便利です。
ファイルの差分を調べたり、FTP/SFTP を使ってサーバーに保存する事もできます。

各種言語の関数名予測補完、正規表現を使ったフォルダ内ファイル検索を備えています。
タブ形式ではなく、サイドバーのファイル一覧からファイルを選択するタイプです。

やや高価ではあるものの、軽量で起動が早く、テキストエディタとしての機能が充実しているので使いやすいです。


Text Wrangler (Mac専用)

http://www.barebones.com

textwrangler

上記 BB Edit の無償版です。
基本的な機能はそのままで、HTMLタグの定型文挿入機能や内部ブラウザによるプレビュー機能等が省略されています。
関数名の予測補完も有りませんが、その分動作は軽く、無料で使えるテキストエディタの中ではかなり優秀です。


Komodo Edit

https://www.activestate.com/komodo-edit

komodo-edit

Active State の Komodo IDE からテキスト編集機能を独立させたフリーのテキストエディタです。Mac、Windows、Linux で利用でき、多数の言語のハイライトに対応しています。
括弧の自動対応、矩形選択、関数の自動補完を備えるプログラマ向けのソフトウェアで、PHP インタープリターへのパスを設定しておくと、PHP の構文エラーを自動的に検出してくれます。
日本の文字コードも標準で扱うことができ、UTF-8 はもちろん Shift_JIS、EUC-JP も使用可能です。


Textastic

http://www.textasticapp.com/mac.html

textastic

もともとは iPad 向けのテキストエディタを Mac 用に移植したものです。
全体的にはシンプルですが、押さえるべきところをきちんと押さえてあって良い印象です。
Shift-JIS, EUC-JP 等の文字コードが扱えて、PHP の関数補完もできるので基本的に困ることはありません。
安価かつ軽量なテキストエディタを求めるのであれば良い選択肢になり得ると思います。


mi

http://www.mimikaki.net

mi
※写真はベータ版のものです

国産のテキストエディタであるため、日本特有の文字コードの自動認識に強いです。
テキストエディタに求められるほとんどの機能を網羅している上に無料で利用できるので重宝します。
円記号とバックスラッシュの使い分けにも対応しているので安心できます。


Coda (Mac専用)

http://panic.com/jp/coda/

coda
※画像は Coda 2 のものです

Coda は PHP というよりも HTML 中心のサイト構築・管理に特化したテキストエディタ+FTPツールのようなものです。
プロジェクトをサイト単位で管理でき、本格的な FTP 機能で簡単にサイトの編集ができます。
内部ブラウザによるプレビューや透明度に対応した独自のカラーピッカーなどを備え、関数の補完も可能です。
「普段は HTML しか使わないけどたまには Javascript や PHP も使う」というタイプのユーザー向きです。


CotEditor (Mac専用)

http://coteditor.com/

coteditor

かなりシンプルなテキストエディタです。
大きなファイルではカラーリングに時間がかかることもありますが、関数名の入力候補表示や
関数リストによるジャンプ、矩形選択、バックスラッシュと円マークの切り替えなどの
基本的な機能は全て備えています。

PHP 開発に適したテキストエディタ比較(Windows)

大規模なプログラムを作るのであれば PhpStorm のような
IDE を使うのが一般的ですが、PHP の場合比較的小規模な内容が多く、
起動に10秒以上かかるような IDE を使い、「新規PHPプロジェクト」やら
「ワークスペース」を選択してようやく開発をはじめるのが面倒な事があります。

そのようなとき、プログラマ向きのテキストエディタがあると便利です。
テキストエディタは世の中に沢山ありますが、日本固有の文字コードをきちんと処理できるテキストエディタはそんなにありません。
今回は私がよく使っているいくつかのテキストエディタを比較してみます。

私がテキストエディタに求める機能は次のようなものです

  • 行番号が表示できる
  • 主要な言語のシンタックスハイライト機能を備えている
  • タブなどでたくさんのファイルを行き来できる
  • フォルダツリーでフォルダ内のファイルに移動できる
  • UTF-8、Shift-JIS に対応し、できれば EUC-JP も扱える
  • 左右の画面分割ができ、比較しながら作業しやすい
  • 黒背景で目にやさしい表示ができる
  • ファンクションリストがあり、関数が定義されている行にジャンプできる
  • よく使う作業フォルダを「お気に入り」などで登録できる
  • ディレクトリ内検索・置換ができ、正規表現が使える
  • 複数行選択して Tab キーを押すとインデントでき、逆もできる

そんなに欲張ったつもりはありませんが、こうして見ると随分要求が多いです。
しかし、それを実現するエディタはあります。


Visual Studio Code

Microsoft が始めたオープンソースのプロジェクトで、かなり人気の高いテキストエディタです。
無料で使うことができ、Windows, Mac, Linux などの OS に対応しています。
プラグインによる拡張が可能で高い拡張性があります。
標準で統合ターミナル(コンソール)が利用でき、Git などとの親和性も高いです。
後述の Atom と同じ Electron ベースで、登場時期も近いためライバルとして比較されることが多いです。Atom に比べるとメモリの消費が少なく、快適性が高く、安定感もあります。テキストエディタに迷ったときはまずこの Visual Studio Code(VS Code) か Atom を試してみるのが良いと思います。


Atom

atom

Github 主導でオープンソースによる開発が進められているマルチプラットフォームエディタです。
標準で各国の文字エンコーディングに対応し、オートインデントなどのプログラミングに必要な基本的な機能を備えています。
プラグインによる拡張が可能なため、矩形選択や文法エラーチェックなどの強力な拡張機能を加える事ができます。
後発なので洗練されている部分が多いですが、その分アップデート頻度が高くプラグインとの相性問題が起きやすく、やや不安定な面もあります。
ポテンシャルは Sublime Editor と互角かそれ以上で、十分な将来性が期待できます。反応速度と安定性が向上すればメインエディタとして十分な魅力があります。


NotePad++

notepad

フリーのテキストエディタで、大量のプラグインが利用できるのが利点です。
Plugin Manager から簡単に追加できるので、自分好みのテキストエディタを作るのに最適です。
よく使うのは、フォルダツリーを表示する「Light Explorer」と関数一覧を表示する「Source Cookifier」です。

バージョンは古いですが、日本語の自動認識に関しても改良されていて、
本家プラグインにも対応しているので実用上の問題はありません。

とはいえどちらのバージョンでも Shift-JIS 絡みのトラブルは時々起こります。
これに関しては海外製だから仕方ないと言う他ありません。


Sublime Text

sublimetext3
(※画像は開発版のものです)

今では後発の VS Code や Atom に押され気味ですが、かつては定番と言ってもいい程人気があったテキストエディタです。
オートインデントや入力補完が非常に優秀で、快適な入力ができるのが特徴です。
プラグインによる拡張が可能で、目的に合わせてカスタマイズが出来ます。
ただし本体は Shift-JIS, EUC-JP 等の文字コードには対応しておらず(Build 3059 現在)、ConvertToUtf8 となどのサードパーティー製プラグインを使って UTF-8 に変換しないと読み込めないという欠点があります。(保存時は自動的にもとの文字コードに再変換されます)
また、日本語 IME への対応も不十分で、IME Support というプラグインも合わせてインストールする必要があります。
プラグイン開発が停滞すると致命的な欠点となり得ますが、それ以上に入力時の快適さというメリットは大きいので、UTF-8 が中心の開発環境であればメインテキストエディタとして十分おすすめできます。


jEdit

jedit

Java で書かれたフリーのテキストエディタで、Windows, Mac, UNIX などでも動きます

こちらもプラグインマネージャによるプラグイン管理ができ、高い拡張性があります。

個人的にはタブ表示を実現する「Buffer Tabs」、関数等の構造を表示する「SideKick」
「PHPParserPlugin」を利用しています。

インターフェースはやや雑多な印象がありますが、レイアウト変更は可能です。
文字コードの問題に関しては、デフォルトで EUC-JP に対応しています。
Javaっぽさが苦手でなければ Notepad++ 同様なかなか優秀なエディタだと思います。


TeraPad

terapad

やや番外編的な気もしますが、こちらのテキストエディタも紹介しておきます。
上で紹介した2つに比べると、多機能が売りというより軽快さが売りのソフトウェアです。
また、国産なので日本語の自動認識に関してはかなりの安定感があります。

開発用と言うよりも Windows 標準のメモ帳代わりで使っています。
すぐ起動するので txt ファイルや ini ファイルなどを確認するにはちょうどいいと思います。

矩形選択ができる点もなかなか便利です。
CSV をタブ区切りに置換してから一気に矩形コピーする時活躍します。